うるうるしたのは春のせい?それともビートルズ?

私をびっくり仰天させ「すごいっ!」と唸らせたその女性は、福祉施設を運営する事業所の理事長です。
ぐっと年下なれど福祉的精神も生き方もあっぱれなら、持ち物、洋服のセンス、アクセサリーのお好みも垢ぬけていて、惚れ惚れします。

久しぶりに会おうと某レストランに。席に着くや堰を切ったように口に出たのが某国の政治のありようで、
「戦争をしたくてしたくて、たまらないのよ。憲法も変えようとあの手この手、自分にたてつく者は切り捨てる。国家と国民の安全と幸せのためにと耳障りのいいことを言うその裏で恐ろしいことを企てている」
などとレストランでさんざん大きな声で話した後、「この話をするときは、公の場では注意してね」と私を気遣ってくれました。

しばらくすると彼女は突然興奮状態でまくしたてます、ワインもビールも飲んではいないのに。
「ポールマッカトニーのチケット、ゲットしたのよ、最前席よ!夫が発売前からパソコンを睨んでくれて」と胸をはり、“凄いでしょ”と言う顔をしました。
「いくら?」「まあ~ウン万円」「すげー!」
チケット代の高額さもさることながら、夫君が妻のためにもろ肌ぬぐことに感動しましたね~。
彼女が「前回も友達4人で行ったのだけど」と話しだしたその内容に、私はびっくり仰天!おったまげてまた仰天と、仰天の連続にご馳走を食べるのも忘れて聞き惚れたのです。

チケットの次は、ポールが泊まるホテルを予約、つぎに貸衣装屋に大振袖と付属品を四人分注文し、合わせて着付け、付けまつげばっちしフルメイク、キラキラ髪飾りのフルヘアー。ちなみに振袖の色目はビートルズカラーでオレンジ、グリーン、黄色と青を指定する念のいれよう。
ひとつ間違えばチンどん屋になりかねないこのなりで、おっと失礼!どこぞの大姫君さま?と見まごう四人が最前列でうろうろすれば女優と間違えたカメラマンが「お願いしま~す」とシャッターをきり、ネットの動画にもなって当然ですよ。

介護事業の苛酷な現実を乗り越えるための年に一度のお祭り、変身、大姫様なのですね。
「素晴らしい!ワンダフルよ」
拍手しながら、なぜか胸がせつなくなりました。うるうるしたのは春のせいかしら。

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